見える所に金属を使わない入れ歯では専門学会選任エキスパートパネラー
1989(平成元)年7月の開院から今年で25年目を迎えた。市内近郊や医療関係者の患者も多く、院長は「今すぐにでも独立開業できる優秀な医師と、器用でホスピタリティーな歯科衛生士、歯科助手に恵まれているのが当院の誇り」と感謝。特に正統派を自任する丁寧な義歯治療に定評がある。
院長は2012〜13年に掛けて、義歯の専門学会である日本補綴歯科学会のノンメタルクラスブ義歯(見える所に金属を使わない保険適用外の入れ歯)のエキスパートパネラーとして道内で唯一選任された。同義歯治療は02年から臨床に取り入れ、論文も数多く発表し、北海道の草分け的存在 だ。症例数は150超で道内トップクラス。同学会や北海道歯科学術大会で症例発表のほか、05年には北大の義歯講座で当時の大畑昇教授の招聘で「ヨソ様に気付かれずに済むメタルフリー義歯」と題した特別講演も行い、日々の治療と学会活動に力を注ぐ。院長は、岩手医大の田中久敏教授を師匠とし、1980年代の約5年有余は助教授として入れ歯の研究、技術の研鑚に努めた。
入れ歯治療について、院長は「たとえ保険治療であってもすべての患者さんごとにオーダーメイドした型取り用の容器を作り、大学病院と全く同じ工程、材料を使用した制作」が信条。このことは歯科医にとって、「言うは易く行うは難し」と院長。「たまに上手な入れ歯を作っても駄目。野球に例えれば、イチローのようなアベレージヒッターとしての入れ歯作りを大切にしている」という。「すべての患者さんに満足して頂ける義歯製作は正直、相性も含め様々なハードルがあり不可能だが、9割以上の方に満足して頂ける入れ歯作りが目標」と説明する。
インプラント(人工歯根)治療については「今は逆風の時代なので、症例的にリスクが極めて少なく院長に全幅の信頼を寄せてくれている方には行っている」といい、患者と心の交流、絆が欠かせないと強調する。
設備ではX線のデジタル・IT化を進め、患者のX線被曝量を従来の5分の1以下に減少した。
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